「下手ーっぴー哀歌」
皆さんは、鮎釣りのうまい人と下手の人を、どんな基準で判断しますか?
先日、九頭竜の釣友と鮎釣り談義をしたときのことです。
その友だちは荒瀬が大好きで、荒瀬を中心に鮎釣りを展開していました。
釣友「おかもっちゃん、俺の釣りってうまいと思う?」
私「いや、下手だと思う」
釣友「どうして、そう思う?」
私「数を釣ってないから(*^_^*)」
釣友「だって俺、トロ場やチャラ瀬の辺で簡単に釣れちゃうような、ちっこい鮎を掛けるのはいやだもん」
私「だから下手なんだよ。」
と、掛け合い漫才的な言葉遊びを展開しておしゃべりを楽しんでいました。。
この言葉だけを聞けば、私はなんて失礼極まりないヤツだろう!と思われるに違いありません。
また、本当にその釣友はへたっぴーかというと、とんでもありません。
荒瀬に立ち込んで掛けた鮎とのやりとりを見れば、あの村田名人をも感心させたというサオさばきには安定感があります。
でも彼は、素人釣り師からみればやっぱりへたっぴーなんです。なぜなら、荒瀬の大鮎ばかりを追いかけて、数釣りができないんですから。
こんな問答を繰り返すうちに、鮎釣りのうまい人と下手な人は、一概に言えないことに気づきました。
いまの鮎釣り界は釣果至上主義というか、アタマと尾っぽのついている数で単純に勝敗がランク分けされているからです。
私が所属する関東激流隊の狩野さんなどは、今回オトリ屋さんなどの義理からトーナメントに出場し、100名ぐらいの強豪を相手に戦いました。結果、全国大会出場進出の権利まで勝ち取りましたが、釣果至上主義のトーナメントに思うところがあり、出場を辞退したそうです。
また彼は、トーナメント中、ガチンガチンの改造したパワースペシャルに直径26cmの激流ダモを用い、掛けた鮎は全て九頭竜返しで取り込むという、
最近のトーナメントでは見られない豪快さと華麗さを見せつけました。
釣果にこだわれば、必然的にキャッチングしやすい大きいタモと、鮎が掛かったあとの蹴られにくいホールド性の良いサオを使ったことでしょう。
でも彼は、釣果よりも自分が釣って楽しいと思う満足感のあるタックルを選んだのです。
総じて、数釣りの釣果だけで、でうまい・下手を判断しようとすることが、素人釣り師の浅はかさであり、愚の骨頂ではないでしょうか?私は荒瀬の名人・トロ場の名人・チャラ瀬の名人などフィールドに合わせた名人がいてしかるべきだと思うのです。
先述した九頭竜の釣友は、トロ場やチャラ瀬などフィールドもさることながら、細糸での泳がせや引き釣りなど全てを体験して自分の性にあったのが、この激流の釣りだったそうです。
九頭竜の彼は、ごくたまに、私がトロ場などに釣りに入ると、私に義理を立てて一緒に入ってくれます。
そのときのテクニックは、まさに手練れした者だけが持つサオさばきを見せてくれますよ。…ただ30分もするとあきちゃって、たくさん釣っているのに「やっぱりこんなとこは駄目だよ。」と、私を荒瀬に誘い込んでしまうんだけどね。(*^_^*)
ちなみに私は荒瀬・トロ場・チャラ瀬の全てがそれぞれの味を持っていると思います。だから、そのときの状況によってどこでも入ることにしています。
だって、みんな好きなんだもの!欲張りでゴメンナサイ!