アウトドア保健室   巻き爪

鮎釣りをするとき、タビ(ブーツ)の善し悪しは、足運びに重要な役割をはたします。
特に荒瀬を釣るときには、流されないようにするために足の指で踏ん張って石の間などにタビを挟み固定しますが、それには自分の足にフィットしたタビでなければなりません。 それほど重要な文字通りの足回りに支障をきたすのがこの巻き爪なのです。

巻き爪は、体質や足の指の爪切りの仕方で発病することが多い病気です。
深爪をする人に多くみられ、その進行はきわめて遅く、私も最初、「足に爪が食い込むようで痛いなぁ」という感じで自覚症状が起こりました。
爪の両端が痛くなるので電気工具のニッパでなるべく短くカットしてしていたことが巻き爪の進行に拍車をかけたようです。

そして自覚症状が出てから5年目ぐらいの今年、ついにタビを履くたびに痛さで涙がちょちょぎれる最悪の状態となってきたのです。 当然ながらスニーカーや革靴は痛くて履けませんでした。

それでも鮎釣りが止められないお馬鹿さんの私。フィールドテストの結果、シマノのタビよりダイワのタビの方が足の指の保護が効き、巻き爪には有効ですが、水深が80cmぐらいの深みにはいると水圧で痛みが激しくなる 。 という実践から学んだ貴重なデータを取ったりしていましたが、日が経つにつれ「 もう、どんなタビを持ってきても痛いものは痛いんだあ!!この爪全部剥がしてくれぇ!!」と最後は絶叫に近い思いにからわれていました。

このように2005年のシーズンは、巻き爪との戦いをしながら鮎釣りをこなしたと言っても過言ではありませんでした!(エッヘン!←エバルコトデハナイデスネ(*^_^*)


そして鮎釣りシーズンが終わった本日11月2日、私の釣友である小片先生にお願いして手術をしてもらうことになりました。

小片先生は有名な整形外科医、特に丁寧な手術で有名です。しかし、身内の手術はどうも苦手らしく、昨夜は術式などを考えてよく眠れなかったそうです。(先生、心配かけてゴメンネ)。

反面、患者である私は爆睡してすっきりした顔つきで手術に望んだのでありました。
おまけに物珍しさも手伝って手術中、デジカメ片手に撮りまくり。なんたって自分の手術です。肖像権も個人情報保護法も関係なし。今日の俺は患者さんなのだぁ! 偉いんだぞー!医療従事者ども、頭が高〜い!…なんてね。(*^_^*)

でも、「コラー!観光旅行に来ているんじゃないぞ!」と叱られそうですね。(^_^;)

 
これが巻き爪です。爪の両側から皮膚を締め付けられ、化膿と疼痛を繰り返して特にこの半年、私を苦しめました。

    
手術部位を中心に丹念に消毒します。その後、手術布を引いていよいよ私の指はまな板の鯉状態。 伝達麻酔の注射の針がチクリと少し痛かったけれどすぐに感覚がなくなりました。麻酔が効いてくると私の足はまるで石の固まりのよう。ゴムチューブで指の元を縛り、出血を抑えます。

 
「先生、手術中すみませんが、目線お願いします!」という私のリクエストに快く応える小片先生。明るい雰囲気のなかで私の手術は進みます。 先生は忙しそうだったけれど私は暇すぎて眠くなりそう…。

 
切開、縫合を終えた私の右足の指。爪の両端をカットして爪と両脇を縫合したのがわかりますか?
小片先生は一カ所一カ所、丁寧に爪に穴を開けて縫合したのです。全部で14針ぐらい縫ったのかなあ…。このときは麻酔が効いていたので痛みは全く感じませんでした。

   
無事、手術を終了した私の足。手術時間は約一時間半。神経を使いながらの緻密な手術でした!
小片先生、お疲れ様でした!

手術後、麻酔が切れてきたら私の心臓は、右足に移動してしまったようにずきんずきんと重く痛むのだぁ!
このHPも痛みをこらえながら作っています。(^_^;)  

いてぇよう〜!!!
 


巻き爪の治療法は、爪の両端に穴を開けてワイヤーを入れ、そのワイヤーの張力で変形を矯正するもの、またワイヤーの代わりに形状記憶合金で作ったプレートを爪の両端に挟み、ドライヤーなどの熱を加えて変形を矯正するもの、またや手術して爪の両端にチューブを挟み矯正するものなどいろいろな手術法がありますが、私は、大きな手術になるけれど予後が良い今回の術式でお願いしました。

小片先生には、長い時間細かい手術で大変だったろうと思います。先生、ありがとう!