出たきり老人放浪記
待ちに待ったシーズン到来となりましたが、全国の鮎釣り師の皆さん、釣れてますか?
今年は雨が少なくて、どこの河川も水がなく、鮎も小さい気がします。全国の釣り仲間も同じ意見でした。
そんななか、私は九州球磨川からのシーズンinとすべく、5月26日日曜日、地区のクリーン作戦のお手伝いを終えたあと、九州方面に向かい家を出ました。
東名高速を南下、愛知の三品氏紹介の遠藤君と清水のサービスエリアで会う。彼は背が高くまさに激流向きの男!(カッコイイ!!)
周りの観光客が見てる中、そんなことは気にせずに鮎竿をのばしたりして3時間ほど釣り談義をしました。別れ際、激流マンの3種の神器のひとつ、スパイクタビを渡し、ビールとお茶をいただきました。(ありがとう!)
夕方5時半過ぎに藤枝のパーキングエリアで前市岡氏、福田氏、鈴木氏と会い、また釣り談義。時の経つのも忘れて楽しく過ごし、気がつけばもう夜の9時近くになっていました。(お茶をいただきました。ありがとう!)
それから夜通し走り、途中にある和歌山の実家に着いたのが、5月27日の朝でした。
その日は、出迎えてくれた母の話をたっぷり聞いて、そして早く休んだのは言うまでもありません。
5月28日火曜日、年寄りは朝が早いとよく言われますが、寝てられないのです。
早く起きて、本宮周りで有田川に向かい、9時半にマスターズ予選会場に着きました。予選は10時30分までの一回戦で、紀州激流隊の石垣隊長敗退。高橋名人他、名だたる名人も敗退するほどの厳しい条件下の予選でした。
しかし、そんな厳しい中でもあの村田名人は残っていました。さすがです!その後、石垣君と私は温泉に入り、カツカレーを食べて一路九州に向かいました。
5月29日夜中、関門橋を渡り九州に入り、岡山のK氏と待ち合わせ。合流し熊本駅前の山本釣り具に寄って夕方人吉の中川原公園に着きました。
川の状態はと言うと、水が少なく痩せていて、とてもいつもの球磨川ではありません…。
5月30日木曜日、朝には岡山のカセヤマ氏も着きました。彼は自称中川原グランドホテル支配人といって、人吉市役所公園化課に話をして、中川原公園内の駐車場の確保から橋の下の照明、使用許可など多岐にわたり釣り人のために骨を折ってくださいました。(ありがとう!感謝です!)
また、山を登るのが趣味だという今野氏も、愛犬ミニ柴と激流隊の合流。彼はお店をやっていただけあって料理が得意です。スッポン鍋を作っていただき、ゴチになりました。昼頃から雨が降り出すが橋の下はサイコー!!
また、釣りとは関係ありませんが、自転車に乗って全国を回っているという西条さんも合流。
誰かが言った、「我々は出たきり老人だな…」。正にその通り。こういう元気あふれる出たきり老人も良いんではありませんか(*^_^*)
5月31日金曜日、球磨名人(案内人)と呼ばれる通称川太郎氏の仲間たちも集まり、橋の下も一層賑やかになった頃、一大のキャンピングカーが登場!
ふと見ると、あれは15〜6年前のこと、何回か大会で会ったことのある三重のGFGレディス山本さんではないか、懐かしい!こんなところで再会するとは…。
名刺を出して、「私のことを覚えていますか…」と私。
すると彼女は、遙か遠いかなたに視線を向け、忘却の糸を紡ぎ直すかのようにしていたが、彼女の追憶の中で上野さんの存在がオーバーラップされたようで、…次の瞬間「上野さん、逢いたかった」とつぶやきにも似た短い言葉を発したかと思ったら、彼女の唇は上野隊長の唇に重ね合わされ、二人はしっかりと抱き合い、周囲に人がいるのにもかかわらず熱い抱擁に入ったのであった…。
というのは、上野隊長に頼まれてこの文を起こしているおかもっちゃんの妄想でした。
残念ながらこのような艶っぽい展開は全くなく、本当は、「え〜、あの上野さん、お互い歳をとりましたね、でも懐かしい、ハッハッハー」と笑われただけでした。
6月1日、待ちに待った解禁です!早い人は、昨日のうちに場所を取り備えます。「上野さんは何処にはいるの?」と聞かれても、雨が降り出すし、高橋さんもいないしと、あまり積極的に釣る気も起きず、それでも人吉町裏に入り25匹ほど釣りました。
山本さんたちにポイントを案内して、彼女たちも結構釣りました。
岡山のKさんは、前々日から頑張って場所取りをして67匹ほど釣りました。…お見事!!
夜、橋の下で食事を終えて雑談。橋下の明かりが点いたり消えたりして調子が悪い。カセヤマ氏が「明日、市役所に話をするよ」なんて言っていたら、どこからとなく一匹の源氏蛍が飛んできて、私たちの上を行ったり来たり…。
誰かが、「高橋さんが来た…高橋さんだ!」「高橋さんが蛍になってみんなに会いに来たんだ!」それを聞いて私も涙が出てきました。あんなに解禁を楽しみにしていたのに…。「上野さんの新しい車に乗せてもらい、連れて行って欲しい」と車が来るのを楽しみにしていたのに…。
九州に来る前、高橋さん宅に根岸君と寄り、奥さんに「高橋さんを球磨川に連れて行くよ」と了解をもらい。奥さんも「よろしくお願いします。」と挨拶してきたのですが、やっぱり高橋さんは来たんだ…。この十年間解禁は高橋さんとずっと一緒でした。…何に付け高橋さんとの思い出が頭をよぎり、悲しい限りです。
6月2日、昨日の雨で川に濁りが入り釣りにならず、橋の下で釣り談義をして過ごす。
6月3日、公園前で4尾釣り、その後、上流の川辺川合流付近で30尾ほど釣り、冷凍にしてもらう。
6月4日、山本さんたち3人を連れて昨日のポイントへ行く。すると見たことのある女優、宮崎美子さんが、テレビのロケで釣りに来ていたが釣れていません、私たちはその上下で結構釣れました。宮崎さん、ポイントは、もう一歩前でしたよ!!
カメラクルーのお兄さんに声を掛けられ、「後で少し分けてください」とのこと。私は「良いですよ」と言いましたが取りに来ませんでした。間に合ったみたいです。
解禁からの4日間、球磨川の鮎を釣りましたが、総じて型も良く、中には24cmもいました。やっぱり球磨川の鮎は大きい!また行こう。
午後3時に球磨川を後にして、埼玉に向かいハンドルを切りました。
埼玉から球磨川間は1300kmぐらいで、一人でゆっくり走り18時間ほどかかりますが、皆さんも二人連れなら楽に行ける距離ですよ。いかがですか行ってみては、大きな鮎が待っていますよ!
帰宅後、解禁で釣った一番大きな鮎を高橋さんちに持って行き、仏壇に供えました。
「高橋さん、球磨川の鮎だよ。高橋さんのぶんまで激流隊は頑張って釣るからね」と、根岸さんと二人で手を合わせました。
*全国の激流隊の皆さんへ
身体に気をつけて今年も時間の許す限り元気に鮎を釣りましょう!
*高橋さんへ…昨年、二人で渡った関門橋、今年は一人で渡しました。淋しいなぁ…
でも、寂しさに負けず、また行くぞ!今度は釣るぞ!
*6月中に3回球磨川に行きました。
球磨川の鮎は見事な鮎です。釣り人を魅了してやまない日本一の大鮎です。
みんなも一緒に行こうぜ!
文責 上野 昇(代筆 おかもっちゃん)