道場訪問 拳真会 松本聖志 (平成12年 『月刊競輪』より)

 松本聖志(岐阜53期)が自ら師範となって開いている道場を紹介しよう。 高校生から空手を始めて僅か一年で極真師範代(有段者)の資格を取った松本の実力は相当なもので、四年前に独立して発足させた拳真会(現在三段)には男女合わせて40人ほどのお弟子さんたちが週に二度、岐阜市内にある体育館や道場を訪れ、松本の指導を受けている。 お弟子さんたちの空手を始めた動機は護身やダイエットと様々だが、一番の苦労はお弟子さんたちに厳しい稽古をどうやって楽しく振り向かせるかだそうだ。『中には学校は休んでも稽古だけは見学に来る子もいるんです。』今年7月からは愛娘の優希ちゃん(7つ)も自ら希望して稽古している。『自分が競輪選手になって、物事を達成したときの喜びを知って、みんなにもその喜びを味わってもらいたい。そんな思いで道場を開きました』。 おそらく、競輪選手としてだけでなく空手家としても成功していただろう松本は『空手も競輪も同じ勝負事ですから、勝負どころの気の入れ方は競輪と相通ずるものがある』と語る。 全盛期は怪物・滝澤正光に真っ向から先行勝負を挑み、数々の名勝負を演じてきた松本の勝負度胸は空手で培われたものと納得だ。
 まつもと・せいし
 ●1963年岐阜県生まれ。岐阜東高校卒。競輪学校は適性で一発合格。
 デビューは1984年5月17日岐阜競輪場。
 特別競輪初勝利は86年11月23日の小倉競輪場での競輪祭。
 86〜96年は特別競輪出走の常連メンバー。
 座右の銘は『吾、事に於いて後悔せず』。空手三段、柔道二段。(平成12年時)